副業の確定申告に向けて年内にやっておくこと|記帳の締め・書類集め・青色申告の準備【2026年分】
- 年内にやっておきたいのは、収入と経費の記録を最新にする、領収書・請求書を保存する、控除に使う書類をそろえるの3つ
- 事業所得のある人は帳簿の記帳と書類の保存が必要(業務に係る雑所得でも、前々年の収入が300万円を超えると書類の保存が必要)
- 青色申告を考えているなら、承認申請書は原則3月15日まで。年内に帳簿の方法を決めておくと楽
確定申告の準備を年内に始める理由
2026年分の確定申告は、2027年の春に行います。ただ、1年分の収入と経費を一度に振り返ると、領収書が見つからない、何の支払いか思い出せない、といったことが起きがちです。年末に近いうちに記録を整えておくと、申告の時期に慌てずにすみます。
申告全体の流れは確定申告の流れで整理しています。この記事は、その前段の「年内の準備」に絞ります。なお、副業の所得が年間20万円以下で申告が不要になるケースもあるため、まず副業の「20万円ルール」で自分が対象かを確認しておきましょう(住民税の申告は別に必要になる場合があります)。
チェックリスト1:収入と経費の記録を最新にする
- 収入:取引先ごとに、入金日・金額・源泉徴収されている場合はその額を一覧にする。支払調書や報酬の通知メールも手元にまとめておく
- 経費:日付・支払先・金額・内容を記録する。レシートが残っていないものも、記録だけは残す
- 家事按分するもの(家賃・通信費など):按分の割合と根拠をメモしておく(副業の家事按分の決め方)
- 経費になるか迷うもの:副業の経費になるもの・ならないものを見ながら、判断を保留にして印を付けておく
国税庁のタックスアンサー(No.2080)によると、不動産所得・事業所得・山林所得のある人には記帳の義務があります。取引ごとに書く必要はなく、日々の合計金額をまとめるなどの簡易な方法も認められています。記帳は、所得金額を正確に計算できるよう「整然とかつ明瞭に」行うこととされています。副業の帳簿の基本は副業の帳簿のつけ方の基本にまとめています。
チェックリスト2:領収書・請求書を整理して保存する
同じタックスアンサーでは、保存期間を次のように示しています。
| 保存するもの | 期間 |
|---|---|
| 収入・必要経費を記載した帳簿(法定帳簿) | 7年 |
| 上記以外の業務用の帳簿 | 5年 |
| 請求書・納品書・領収書などの書類 | 5年 |
保存義務があるのは、不動産所得・事業所得・山林所得のある人と、業務に係る雑所得があり前々年分の収入金額が300万円を超える人です。後者は現金預金取引等に関する書類を保存します。
メールで届いた請求書や、ネットで買った物の領収書など、電子データで受け取ったものは、電子帳簿保存法のルールに沿って保存する必要があります(電子取引データの保存)。年内のうちに、フォルダやファイル名のルールを決めて移しておくと、あとで探す手間が減ります。
国税庁の同ページでは、令和5年分以降、売上げに関する帳簿の不保存や記載不十分が税務調査で把握された場合、申告漏れに対する加算税の割合が加重されることも説明されています。記録と保存は後回しにしないほうが安心です。
チェックリスト3:控除に使う書類をそろえる
会社員が年末調整で出せていない控除は、確定申告で受けることができます。副業の申告をするなら、次のような書類を探しておきましょう。
- 会社の源泉徴収票:年末調整が終わったあとに会社から受け取る
- 社会保険料の支払いがわかるもの:国民年金や国民健康保険料などを自分で払っている場合は、その金額がわかる書類
- ふるさと納税の受領証明書(ワンストップ特例を使わない場合):ふるさと納税を確定申告で控除する方法
- 医療費の領収書・明細:医療費控除を受ける場合
- 生命保険料・地震保険料などの控除証明書
国税庁のタックスアンサー(No.1130)では、国民年金保険料などの控除を受けるときは、金額を証する書類を申告書に添付するか提示することとされています。あわせて、令和8年分以後の確定申告書を令和9年1月1日以後に提出する場合は、証明書類の添付・提示に代えて、一定の事項を記載した明細書を添付できると案内されています。書類をなくしても、すぐにあきらめず、最新の取扱いを国税庁のページで確認しましょう。
チェックリスト4:青色申告をするなら、いまが決めどき
青色申告で特別控除を受けるには、事前に「青色申告承認申請書」を出す必要があります。国税庁のタックスアンサー(No.2070)では、提出期限は次のとおりです。
- 原則:青色申告を始める年の3月15日まで
- 1月16日以後に新しく開業した場合:業務を開始した日から2か月以内
つまり、2027年分から青色申告にしたいなら、2027年3月15日までに申請します。最高55万円の特別控除を受けるには、正規の簿記(一般的には複式簿記)による貸借対照表と損益計算書を、確定申告期限までに申告書へ添付する必要があります(No.2070)。そのため、年明けから使う帳簿の方法(会計ソフトか手書きか)を年内に決めておくと、スタートがスムーズです。違いや条件は青色申告と白色申告の違いで説明しています。
年内にやることの順番
- 今年の収入を取引先ごとに一覧にする(入金漏れ・源泉徴収額の確認)
- 経費の記録を12月分までつける準備をして、レシート・請求書を1か所にまとめる
- 電子データの請求書・領収書を、決めたフォルダに保存する
- 控除に使う書類(社会保険料・ふるさと納税・医療費など)をそろえる
- 青色申告を使うか決め、使うなら帳簿の方法を選ぶ
まとめ
- 年内の準備は「収入と経費の記録」「領収書・請求書の保存」「控除の書類集め」が中心
- 事業所得のある人は記帳が必要で、帳簿は7年、請求書・領収書などは5年保存する(国税庁 No.2080)
- 青色申告承認申請書は原則3月15日まで。年内に帳簿の方法を決めておくと始めやすい
この記事は 2026年10月時点の国税庁タックスアンサーにもとづく一般的な解説です。所得の区分や必要な手続は人によって異なるため、個別のケースは税務署や税理士にご確認ください。


