ふるさと納税を確定申告で控除する方法|受領証明書・寄附金控除に関する証明書の使い方と申告書の書き方
- 確定申告をする人は、ふるさと納税も確定申告の寄附金控除で申告する。ワンストップ特例の申請は無効になるので、申請した分も含めて計算する
- 証明書類は、自治体の寄附金受領証明書のほか、国税庁長官が指定した特定事業者の「寄附金控除に関する証明書」(1年分をまとめたもの)も使える
- 寄附金控除額は「寄附金の合計(所得の40%が上限)-2,000円」
- 申告書第二表の「住民税・事業税に関する事項」欄を書き忘れると、住民税で控除されないことがある
確定申告が必要になるのはどんな人?
ふるさと納税は、寄附額のうち2,000円を超える部分が所得税と住民税から控除される制度です。控除を受けるには原則として確定申告が必要で、確定申告が不要な会社員などで寄附先が5団体以内の場合に限り、ワンストップ特例で申告を省略できます。
次のような人は、ふるさと納税を確定申告で申告します。
- 副業の所得が20万円を超えるなど、もともと確定申告をする人(副業の「20万円ルール」)
- 医療費控除や住宅ローン控除の1年目など、確定申告で受ける控除がある人
- 寄附先が6団体以上になった人
- ワンストップ特例の申請書を期限(翌年1月10日)までに出せなかった人(ワンストップ特例の期限)
国税庁は、確定申告を行うとワンストップ特例の申請は無効になるため、ワンストップ特例を申請した分も含めて寄附金控除額を計算する必要があるとしています。申請した分を入れ忘れると、その分の控除が受けられません。副業との関係はふるさと納税と副業でも解説しています。
必要な書類:受領証明書と「寄附金控除に関する証明書」
寄附金控除を申告するときは、寄附を証明する書類を申告書に添付するか、提出の際に提示します。ふるさと納税では、次のどちらかを使えます。
| 書類 | 発行元 | 特徴 |
|---|---|---|
| 寄附金受領証明書 | 寄附した自治体 | 寄附1件ごと(または自治体ごと)に届く。紙のほか電子データで受け取れる場合もある |
| 寄附金控除に関する証明書 | 国税庁長官が指定した特定事業者(ふるさと納税の仲介サイトの運営事業者など) | その事業者を通じた1年分の寄附をまとめた証明書。受領証明書の代わりに使える |
電子データで受け取る場合は、国税庁が指定するXML形式のデータが証明書になります(PDFのダウンロードは証明書として扱われません)。XMLデータは確定申告書等作成コーナーで読み込めるほか、国税庁の「QRコード付証明書等作成システム」で、印刷して添付できるPDFに変換することもできます。
二重計上に注意:同じ寄附について、特定事業者の証明書と自治体の受領証明書の両方が手元にある場合、両方を申告すると寄附額を二重に数えてしまいます。どちらか一方だけを使いましょう。どの仲介サイトが証明書を発行しているか、どこからダウンロードするかは、利用したサイトの案内を確認してください。
受領証明書が見当たらない場合は、寄附先の自治体に再発行を依頼できるかを問い合わせましょう。
マイナポータル連携なら自動入力できる
国税庁の確定申告特集では、マイナポータル連携を使うと、寄附金控除に使える寄附金受領証明書などのデータをマイナポータル経由で取得し、確定申告書等作成コーナーで申告書の該当項目に自動入力できると案内されています。
利用には、マイナンバーカードと、マイナポータルで仲介サイトなどのアカウントと連携しておく事前準備が必要です。寄附先が多い人ほど、手入力の手間と入力ミスを減らせます。
寄附金控除額の計算
所得税の寄附金控除額は、次の計算で求めます(国税庁「確定申告の手引き」より)。
- 寄附金の合計額(A)
- 総所得金額等 × 40%(C)
- AとCの少ない方の金額から 2,000円 を引いた額 = 寄附金控除額
たとえば、ふるさと納税を3自治体に合計60,000円寄附し、総所得金額等が400万円の場合は、Cが160万円なのでAの60,000円を使い、寄附金控除額は 58,000円 です。
所得税ではこの控除額に所得税率をかけた分が減り、残りは翌年度の住民税から控除されます(住民税の特例分には上限があります)。上限額の考え方はふるさと納税の上限額の考え方を参考にしてください。
申告書の書き方:第二表の2か所を忘れずに
確定申告書の第二表には、ふるさと納税について2か所記入する欄があります。
- 「寄附金控除に関する事項」欄:寄附先の名称(ふるさと納税先の自治体名)と寄附金の額を書く
- 「住民税・事業税に関する事項」欄の「都道府県、市区町村への寄附(特例控除対象)」:ふるさと納税として寄附した金額を書く
国税庁は、所得税の確定申告書は住民税の申告書も兼ねているため、住民税の欄が書かれていないと住民税の計算のときに控除されないことがあると注意を呼びかけています。確定申告書等作成コーナーで入力すれば、この欄も自動で反映されます。
確定申告全体の流れは確定申告の流れで解説しています。
申告を間違えたときは
- ワンストップ特例を申請していたのに、ふるさと納税を入れずに確定申告してしまった:国税庁は、更正の請求により寄附金控除の適用を受けられるとしています。ただし、寄附金控除を入れても所得税額が変わらない場合は更正の請求ができないため、住所地の市区町村に相談するよう案内されています
- 返礼品:自治体から受け取った返礼品などの謝礼は、一時所得として課税関係が生じることがあります
まとめ
- 確定申告をする人は、ワンストップ特例を申請した分も含めてふるさと納税を寄附金控除で申告する
- 書類は自治体の受領証明書か、特定事業者の「寄附金控除に関する証明書」。電子データならe-Taxで送れる
- 控除額は「寄附金の合計(所得の40%まで)-2,000円」
- 第二表は「寄附金控除に関する事項」と「住民税・事業税に関する事項」の両方を書く
この記事は 2026年10月時点の国税庁の公表資料にもとづく一般的な解説です(令和8年分の確定申告の様式は、国税庁の発表をご確認ください)。個別の判断は税務署や住所地の市区町村にご相談ください。


