月末に退職すると社会保険料は何か月分かかる?退職日の翌日が資格喪失日になるしくみ
- 厚生年金の資格を失う日は退職日の翌日。保険料は資格喪失日が属する月の前月分まで納める
- 月末日に退職すると、喪失日は翌月1日になるため、退職した月の分まで保険料がかかる
- 月末より前に退職すると、退職月の分はかからない(その代わり、退職月から国民年金などに切り替わる)
- 給与計算の締切日によっては、最後の給与から2か月分が引かれることがある
資格喪失日は「退職日の翌日」
会社の厚生年金や健康保険に入っている人は、退職すると被保険者の資格を失います。日本年金機構の案内では、退職日の翌日に被保険者資格を喪失するとされています。たとえば、10月31日に退職すれば喪失日は11月1日、10月20日に退職すれば喪失日は10月21日です。
保険料は月単位で計算されるので、日割りにはなりません。退職日がいつかによって、「その月の分を払うか、払わないか」が決まります。
保険料は「資格喪失日の前月分まで」
日本年金機構のよくある質問では、退職時の保険料について次のように説明されています。
- 保険料は、資格喪失日が属する月の前月分まで納める
- 月末日に退職した場合は、翌月1日が喪失日になるため、退職した月分までの保険料を納める
10月に退職する場合で、具体的に並べてみます。
| 退職日 | 資格喪失日 | 保険料がかかる最後の月 |
|---|---|---|
| 10月31日(月末) | 11月1日 | 10月分 |
| 10月30日 | 10月31日 | 9月分 |
| 10月15日 | 10月16日 | 9月分 |
月末の1日違いで、1か月分の保険料の有無が変わります。健康保険の保険料も、月単位で資格喪失日の前月分まで、という同じ考え方です(協会けんぽ・健康保険組合の案内で確認してください)。
最後の給与から2か月分が引かれることがある
日本年金機構の案内では、月末日に退職した場合、給与計算の締切日によっては、退職時の給与から前月分と当月分の被保険者負担分が控除されることがあるとされています。
社会保険料は、一般に「前月分を翌月の給与から引く」形で控除されます。月末退職だと当月分も払う必要があるため、最後の給与で2か月分がまとめて引かれ、手取りが思ったより少なくなることがあります。最後の給与の明細が出る前に、勤務先の給与担当者に「何月分の保険料がいくら引かれるか」を確認しておくと安心です。
月末より前に退職したときは、退職月から切り替え
退職月の保険料がかからないのは、その月から会社の保険の資格がない状態になるからです。次の手続きが必要になります。
- 年金:自営業やフリーランス、無職などになる場合は、国民年金の第1号被保険者への切り替えが必要です。届出の期限や窓口は、住所地の市区町村または年金事務所で確認してください。配偶者を扶養していた人は、配偶者の切り替えも必要になります
- 健康保険:任意継続、国民健康保険、家族の扶養のどれかを選びます。くわしくは退職後の健康保険の選び方へ
つまり、月末より前の退職は「会社の保険料が1か月分減る」代わりに、国民年金や国民健康保険の保険料が退職月から始まることがあります。月末退職か月の途中退職かで、トータルの負担が逆転するとは限らないので、「どちらが得」と単純には言えません。
入社した月に退職した場合の例外
日本年金機構の案内では、資格を取得した月にその資格を喪失した場合は、厚生年金保険料の納付が必要とされています。ただし、同じ月に別の厚生年金保険または国民年金の資格を取得した場合は、先に喪失した分の納付は不要になります。この場合は、会社が被保険者負担分を本人へ還付します。
転職で、前職を月末より前に退職し、同じ月のうちに次の会社に入社した場合などが、これにあたり得ます。細かい取扱いは年金事務所や勤務先に確認してください。
退職日を決めるときに確認したいこと
- 最後の給与の控除額:給与の締切日と、保険料を何か月分引くか
- 次の保険への切り替え日:転職先の入社日が決まっていれば、空白の期間を作らない
- 傷病手当金など:在職中から継続して給付を受ける条件があるため、退職日の扱いに注意(傷病手当金の条件)
- 手続き全体:年金・住民税・雇用保険の流れは退職・転職したときのお金の手続きにまとめています
まとめ
- 資格喪失日は退職日の翌日。保険料は喪失日が属する月の前月分まで
- 月末日に退職すると退職月の分まで、月末より前なら退職月の分はかからない
- 月末退職では、最後の給与から2か月分が引かれることがある
- 月の途中で退職すると、退職月から国民年金などへの切り替えが必要
この記事は 2026年10月時点の日本年金機構などの公開情報にもとづく一般的な解説です。会社の給与計算の締切日、健康保険組合の規約、個別の事情によって取扱いが異なることがあります。実際の控除額や手続きは、勤務先や年金事務所、加入先の健康保険でご確認ください。


