クラウドストレージの選び方と、仕事のファイル共有で気をつけること|共有設定・バックアップ・利用規約
- クラウドストレージはデータを事業者のサーバーに預けるサービス。どの端末からでも使えて便利な一方、対策の整ったサービスを選ぶことが大切
- 総務省の事例では、障害でデータが消え、規約上バックアップや復旧は利用者の責任だったケースが紹介されている。大事なデータは別の場所にもバックアップを
- 共有リンクの公開範囲の設定ミスで、見せるつもりのない人にまで公開される事故がある。アップロード前に範囲を確認する
- アカウントは使い回さないパスワードと多要素認証で守る
クラウドストレージとは
クラウドストレージ(オンラインストレージ、ファイル共有サービス)は、これまで手元のパソコンに保存していたファイルを、インターネットの先にある事業者のサーバーに保存して使うサービスです。総務省の「国民のためのサイバーセキュリティサイト」では、クラウドサービスは、パソコンやスマートフォン、ブラウザ、インターネット接続などの最低限の環境があれば、どの端末からでもさまざまなサービスを使えるものと説明されています。
仕事では、次のような使い方が多いでしょう。
- パソコンとスマホで同じファイルを見る・編集する
- 取引先に、メールに添付できない大きなファイルを渡す
- 請求書・領収書・契約書などのデータを保管する
同じサイトでは、データが事業者側のサーバーに保管されることや、インターネットを介してやりとりされることから、十分なサイバーセキュリティ対策が施されたサービスを選ぶことが重要と理解したうえで使うよう呼びかけています。
選ぶ前に確認したいこと
容量や料金だけでなく、仕事で使うなら次の点も見ておきましょう。
| 確認すること | 見るポイント |
|---|---|
| 利用規約・責任の範囲 | 障害でデータが失われたときの扱い、バックアップや復旧がだれの責任か |
| セキュリティの機能 | 多要素認証(2段階認証)に対応しているか、ログイン履歴を確認できるか |
| 共有の設定 | 共有リンクの公開範囲(特定の人だけ/リンクを知っている全員など)を選べるか、有効期限やパスワードを付けられるか |
| 復元の機能 | 削除したファイルや、上書きする前の版(バージョン)を戻せるか、その期間 |
| 取引先の指定 | 取引先が使うサービスや、ファイルの受け渡し方法を指定していないか |
無料プランと有料プランで機能が違うことも多いので、使いたい機能がどのプランで使えるかは各サービスの公式情報で確認しましょう。
注意1:共有リンクの公開範囲を確かめる
総務省のサイトでは、友達だけに見せるつもりでファイル共有サービスにアップロードした写真が、共有設定のミスでだれでも見られる状態になり、インターネット上に拡散してしまった事例が紹介されています。設定を直しても、拡散したものは削除できないとされています。
予防策として挙げられているのは、アップロードする前に公開範囲をしっかり確認し、適切な範囲に設定することです。仕事のファイルでは、次のような習慣が役に立ちます。
- 共有は「リンクを知っている全員」ではなく、相手のアカウント(メールアドレス)を指定する設定を基本にする
- リンクで渡すときは、有効期限やパスワードを付けられるなら付ける
- 受け渡しが終わったら共有を解除する。共有中のファイルの一覧を定期的に見直す
- 顧客の個人情報など、もれると困るファイルは、そもそも共有リンクで渡してよいか取引先に確認する
注意2:クラウドだけに保存しない(バックアップ)
総務省のサイトでは、クラウドサービスの障害で重要なデータが消えて復旧できなくなった事例も紹介されています。その会社はデータをそのサービスにしか保存しておらず、規約を読み直すとデータのバックアップや復旧は最終的に利用者の責任と書かれていた、という内容です。
予防法としては、次の2点が挙げられています。
- 重要なデータは定期的にバックアップを取り、すぐ復旧できるよう準備しておく。バックアップは元のデータと切り離された環境に保存する
- サービスを選ぶときは、データのバックアップをはじめとしたセキュリティの要件を満たすものを選ぶ
個人の仕事なら、たとえば「クラウド+パソコン内+外付けの記録メディア」のように、保存先を2か所以上にしておくと安心です。電子データで受け取った請求書や領収書は保存のルールもあるので、電子取引データの保存もあわせて確認してください。
注意3:アカウントを守る
クラウドストレージは、IDとパスワードが知られると、どこからでも中身を見られてしまいます。
- ほかのサービスと同じパスワードを使い回さない
- 多要素認証(2段階認証)を設定する
- 共用のパソコンやネットカフェなどでログインしたままにしない
- 使わなくなったサービスはデータを移したうえで解約・退会する
パスワードの管理方法はパスワード管理ツールを使うべき理由と選び方で解説しています。
まとめ
- クラウドストレージはデータを事業者のサーバーに預けるサービス。対策の整ったサービスを、規約の責任範囲まで確認して選ぶ
- 共有リンクは公開範囲をアップロード前に確認し、相手を指定して共有する
- 大事なデータはクラウドだけに置かず、切り離した場所にもバックアップを取る
- パスワードの使い回しをやめ、多要素認証でアカウントを守る
この記事は 2026年11月時点の総務省「国民のためのサイバーセキュリティサイト」の情報にもとづく一般的な解説です。特定のサービスをすすめるものではありません。各サービスの機能や規約は公式サイトでご確認ください。


