会社に副業を申請するときに確認すること|就業規則と、会社が副業を制限できる4つのケース
この記事のポイント
- 厚生労働省のモデル就業規則は、2018年に「許可なく他の会社の業務に従事しない」という規定を削除し、副業・兼業の規定を新設した
- ガイドラインでは、会社が副業を制限できるのは主に4つのケース(業務への支障、秘密の漏えい、競業、名誉・信用の毀損)とされている
- 申請するときは、副業の内容・時間・取引先などを具体的に伝え、勤務先の届出ルールに従う
まずは就業規則を確認する
副業ができるかどうか、どんな手続きが必要かは、勤務先の就業規則で決まっています。確認したいのは次の点です。
- 副業・兼業が認められているか(許可制か届出制か)
- 申請・届出の方法と、必要な書類
- 禁止・制限される副業の範囲(同業他社、競合する仕事など)
- 副業の状況の報告が必要か
厚生労働省は2018年1月に「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を作成し、モデル就業規則から「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」という規定を削除して、副業・兼業についての規定を設けました。ガイドラインはその後、2020年9月と2022年7月に改定されています。
会社が副業を制限できる主なケース
ガイドラインでは、これまでの裁判例をふまえ、会社が副業・兼業を制限できるのは主に次の場合と整理されています。
| ケース | 例 |
|---|---|
| ① 労務提供上の支障がある場合 | 副業の長時間労働で、本業に支障が出る |
| ② 業務上の秘密が漏えいする場合 | 本業で知った情報を副業で使う |
| ③ 競業により自社の利益が害される場合 | 競合する会社で同じ仕事をする |
| ④ 自社の名誉や信用を損なう行為や、信頼関係を破壊する行為がある場合 | 会社の評判を落とすような仕事をする |
逆に言えば、これらに当たらない副業であれば、認められる方向で考えられているということです。ただし、実際の扱いは会社ごとの就業規則によります。
申請するときに伝えること
- 副業の内容:業務委託のライター、週末のアルバイトなど
- 働く時間・日数:平日夜に週5時間、土曜のみ など
- 取引先・勤務先:本業と競合しないこと
- 本業への影響がないこと:秘密情報を使わない、本業の時間には行わない
厚生労働省は、会社が副業の内容を確認するための届出様式の例も公開しています。勤務先に様式がない場合の参考になります。
雇用される副業は「労働時間の通算」に注意
副業がアルバイトなど雇用の場合、労働基準法の労働時間は本業と副業で通算されます。通算した時間によっては、どちらかの会社で割増賃金が必要になるなど、会社側の管理が必要になります。
一方、業務委託やフリーランスとして受ける副業は、労働基準法の労働時間の規制の対象外です。ただし、働きすぎで本業に支障が出ないよう、自分で時間を管理しましょう。
税金・住民税の準備も
- 副業の所得が年20万円を超えると確定申告が必要になる場合がある(副業の20万円ルール)
- 住民税の納め方は確定申告で選べる(副業と住民税の仕組み)
- 業務委託の仕事を受けるときの発注者のルールはフリーランス保護法を参考に
まとめ
- 副業を始める前に、就業規則と申請・届出のルールを確認する
- 会社が制限できるのは主に、業務への支障・秘密漏えい・競業・名誉毀損のケース
- 雇用の副業は労働時間が通算されるので、会社と相談しておく
この記事は 2026年10月時点の厚生労働省のガイドラインにもとづく一般的な解説です。勤務先の就業規則やルールが優先されます。トラブルがある場合は、労働局の総合労働相談コーナーなどに相談してください。


